スペインからマリオ、ミゲルの2名が来日して、スペインのモニトールという
ライセンス取得のための講習会を行ないました。
今年は監督(コーチ)を2日間、GKを1日で行ないました。
2人ともレアルマドリッドでスカウティングコーチも担当しています。
年間5000〜8000名の選手を見ているとのことです。
講義の中でスペインのサッカー文化、レアルの育成についてなど伝えていただきました。
基礎的な部分は日本と同じで、技術の向上だけでなく、人間形成も大切にしています。
しつけに関しては日本の方が徹底しているように感じますが、
スペインでも挨拶や道具を大切にする、また学校の勉強も両立しなければいけません。
レアルの場合は良い選手でもテストで赤点の選手はクビにさせられることもあります。
どこの国でも、サッカーだけ上手ければ良いという訳ではないということです。
今回の講習会の中でもレアルマドリードのカンテラのセレクションで
実施しているトレーニングを子供たちに実際に体験してもらいました。
受講者のみなさんにはトレーニングの方法や声掛けのタイミング、内容などを
外から見ていただくことで学んでいただきました。
受講者の皆さんにはコーチ、選手役に分かれて指導実践を行ないました。
前日に出された課題についての発表となります。
1日のセッションプランを表に記入したものを持参いただきました。
これは彼らが実際に使っているフォーマットとなります。
トレーニングの内容はもちろん、練習テーマや声掛けのポイント、
使う道具なども細かく記入する必要があります。
トレーニングに参加した選手の名前、欠席した選手の名前などの情報も入れます。
また、レアルではグラウンドがたくさんあるため、その番号なども書きます。
これらを1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年の期間で作成しています。
6つのグループに分かれてセッションを行ないました。
実技のあとには2人からもっとこうした方が良いとアドバイスが送られました。
彼らも日本人の指導を見て、勉強になる部分があると話していました。
最後にはマリオがセッションを行ないました。
スペインのポゼッションサッカーがすべて分かるトレーニングでした。
ただし、ディフェンスでは、相手のボールを奪うということだけでなく、
相手の判断をミスさせる為に相手の頭(脳)を攻撃する意味があると
いうことが大切だと話していました。
そのため、ボール回しで通常は攻撃側が数を数えるのが一般的ですが、
マリオは途中からディフェンス側に大きな声で数を数えるように指示を出し、
相手に声でプレッシャーを掛けるように伝えました。
こういった声の出させ方もルール付けで上手くさせていました。
日本人は子供も大人もなかなか声が出ないと話していましたが、
ただ、「声を出せ!」というのでなく、トレーニングの方法で出させるのは
少年指導には大切ですね。
そこには「サッカーは楽しむもの」というスペインの文化が前提となっています。
今回の2日間で学んだトレーニングメソッドを活用していけば、
ポゼッションサッカーを日本の子供たちに身につけさせることは可能だと思います。
受講者に皆さんのアウトプットに期待しています!